卒業生の声

※掲載内容は2017年12月現在の情報です。


私の勤務する高校では、1000人余りの生徒に対し2人の養護教諭が常駐しています。健康診断の準備や運営、校内でケガなどをした生徒の保険手続き、スクールカウンセリングの調整などデスクワークも多いなか、何より重視しているのは生徒への直接の対応です。ケガや病気など、生徒が保健室を訪れる理由はさまざまですが、自我が確立する思春期は、こころの問題から体調不良を引き起こすケースが少なくありません。だからこそ、頭痛や腹痛などを繰り返し訴える生徒には必ず「最近何かあった?」と尋ねるようにしています。最初は難しくても、世間話などをしながら少しずつ関係性を築いていくと、進路や成績、親や友達との関係など、ぽつりぽつりと悩みを話してくれるように。そんな時は気持ちをしっかり受容して、必要があれば担任や保護者、スクールカウンセラーと連携してケアを進めます。元気を取り戻した生徒が笑顔になって勉強や部活を頑張る姿を見られるのが、この仕事のやりがいです。

私がこの仕事をめざしたのは、中学時代に、悩みを真剣に聞いてくれた保健室の先生に憧れたことがきっかけでした。だから、大学では心理やカウンセリングの学びに特に力を入れ、学外でも不登校の生徒と交流するボランティア活動に励みました。また、学びの集大成である小学校での養護実習では、生徒に積極的に働きかけて信頼関係を築き、実習後も部活動の指導などを続けさせてもらいました。学生時代に学んだケガや病気の知識、心理学のスキルは、時代に左右されない普遍のものです。そしてこれが、生徒を取り巻く環境の変化に対応できる力にもなっています。例えば近年注目されるSNSでの対人問題や、LGBT(性的マイノリティ)への配慮などは、養護教諭が中心となって取り組みたい課題。生徒はもちろん、教員にも理解を深めてもらえるような働きかけを模索しています。今後も多角的に生徒を理解し、一人ひとりが心身ともに健やかに成長できる環境と知識を与えていきたいと思います。