卒業生の声

※掲載内容は2017年3月現在の情報です。


私が担当する2歳児は、自我が芽生え、外界への興味が広がる時期。ですから、例えば庭遊びの時、芋虫を見つけたら私の手にのせて見せてあげるんです。すると「僕ものせる!」「私は持てた!」と、それぞれのやり方で遊び始めます。なかには見ているだけの子もいますが、その子が楽しめているならそれでいい。一人ひとりの遊び方、感じ方を尊重するようにしています。保育園が、ありのままの自分をさらけ出せる場だと感じて欲しいから、私も子どもたちに対して自分らしく接します。歌の時間に、得意なギターで伴奏するのもそのひとつ。子どもたちはとても喜んでくれて、手づくりのギターで真似してくれるんですよ。実は私がこの道をめざしたのは、高校時代、知り合いに「保育者は、その子にとって最初の先生。どんな歴史上の人物より影響力がある」と言われたからなのですが、まさにその通りです。そして私自身も子どもたちから日々影響を受け、成長させてもらっています。

大学時代は学内の子どもケアセンターや学外の児童館などでボランティア活動に励みました。そんななか進路を保育士と決めたのは、3年次の児童養護施設での実習がきっかけでした。約1週間寝泊りしながら、さまざまな事情を抱えた子どもと一緒に過ごすのですが、初日に小学生の女の子に言われたんです。「どうせすぐいなくなるんでしょ」と。それまでの私は、目の前の子どもと楽しく過ごすことが保育者の仕事だと思っていました。でも、この経験で、その子の過去と未来に目を向けながら、生活を通して心身の健康を育むという、保育士のなかの「養護」の大切さを強く感じたんです。「それなら君が卒業するまで来るよ」。大学の先生の協力もあり、私は彼女との約束を守って今もその施設のボランティアを続けています。今年18歳。卒業年を迎えた彼女は保育士をめざし、養成校に通うことになりました。責任が大きい分、喜びは10倍にも100倍にもなって返ってくる。私にとって保育士は世界一素晴らしい仕事です。